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2013/8/7

企業情報

Siemens AG―組織再編プログラム見直しへ―

この記事の要約

電機大手の独Siemens(ミュンヘン)は7月31日、昨年11月に打ち出した組織再編プログラム「Siemens 2014」の内容を見直す考えを明らかにした。ケーザー財務担当取締役(8月1日付で社長就任)は「最優先課題はさ […]

電機大手の独Siemens(ミュンヘン)は7月31日、昨年11月に打ち出した組織再編プログラム「Siemens 2014」の内容を見直す考えを明らかにした。ケーザー財務担当取締役(8月1日付で社長就任)は「最優先課題はさらなるリストラプログラムでなく、社内秩序の安定だ」と発言。31日付で退任したレッシャー前社長が重視した中期売上目標1,000億ユーロの達成はもはや重視しないことを明らかにした。

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レッシャー前社長は同目標を達成するために、新規受注の獲得を加速した。受注規模は同社の消化能力を超えており、これが納期の遅れと特損計上につながった。

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Siemens 2014は不採算事業からの撤退や事業拠点の集約、人員削減などを通してコストを63億ユーロ圧縮し、売上高営業利益率を12年9月期の9.5%から少なくとも12%に引き上げるというもの。大規模な人員削減を伴うため従業員間に動揺が広がっており、ケーザー新社長は同プログラムの見直しを表明した。

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同社にはこれまで、取締役会が各事業部門の内部事情を十分に把握できないという問題があった。これはSiemens 2014の成果が上がらない原因の1つとなっており、新社長は組織のスリム化と権限の集約化方針を打ち出した。4部門からなる事業体制については継続するとしている。

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Siemensが31日発表した13年4-6月期(第3四半期)決算の中核4部門の営業利益(EBIT)は12億6,100万ユーロとなり、前年同期比で31%減少した。医療機器部門が増益となったほかは軒並み業績が悪化。インフラ・都市部門は赤字へと転落した。売上高は2%減の192億4,800万ユーロだった。

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最終利益は43%増の10億9,800万ユーロと大きく拡大した。通信設備合弁会社NSNの資本売却のほか、照明子会社Osramからの撤退で水準が押し上げられた格好。

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新規受注高も19%増の211億4,100万ユーロと好調だった。ロンドン近郊鉄道のテムズリンク向けに大型受注を獲得したことが大きい。

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