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2013/8/7

経済産業情報

原発稼働停止で周辺地域の不動産価格が下落

この記事の要約

稼働を停止した原子力発電所周辺の不動産価格が大きく低下していることが、ライン・ヴェストファーレン経済研究所(RIW)とキール世界経済研究所(IfW)の共同調査で分かった。両研究所は不動産ポータルImmobiliensco […]

稼働を停止した原子力発電所周辺の不動産価格が大きく低下していることが、ライン・ヴェストファーレン経済研究所(RIW)とキール世界経済研究所(IfW)の共同調査で分かった。両研究所は不動産ポータルImmobilienscout 24が提供した計90万件の物件を調査して結論を引き出した。

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ドイツでは福島原発事故が起きた2011年に老朽化原発の稼働が国の決定で停止された。両研究所が12年5月までの不動産価格動向を調べたところ、稼働停止となった原発の周辺5キロ圏内では圏外に比べて11%低下していた。

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原発が停止されれば、日常的な被爆や事故に対する住民の懸念がなくなり、不動産価格は上昇すると予想されるにもかかわらず、実際には下落したことについてRWI研究所のトーマス・バウアー副所長は、稼働停止により地元自治体の営業税収入が大きく減少したほか、原発関連の雇用がなくなったことを指摘。これにより地域の経済状況が悪化したことが不動産価格の低下につながったとの見方を示した。

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