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2013/8/21

経済産業情報

マインツ中央駅の人材不足で運休多発、背景にコスト削減

この記事の要約

マインツ中央駅の鉄道信号システムトラブルを受けた列車運休・迂回などの混乱が続いている。原因は装置などの物理的故障ではなく、信号・分岐器を操作するスタッフの休暇と病欠が重なったことによる人員不足。ドイツ鉄道(DB)は批判を […]

マインツ中央駅の鉄道信号システムトラブルを受けた列車運休・迂回などの混乱が続いている。原因は装置などの物理的故障ではなく、信号・分岐器を操作するスタッフの休暇と病欠が重なったことによる人員不足。ドイツ鉄道(DB)は批判を受け、2014年以降の採用計画の見直しを約束したほか、元従業員に復帰を呼びかけるなどスタッフ確保に奔走しているが、ダイヤがほぼ正常化するのは早くても今月末になりそうだ。

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マインツ中央駅の鉄道信号システムは機械式で、駅の信号扱所のスタッフがスイッチの切り替えを行っている。しかし同駅では作業スタッフ不足で2日以降、列車をダイヤ通りに通すことができない状態だ。DBは◇列車の一部をライン川対岸のマインツ・カステル駅に迂回させる◇運行本数を削減する――などの措置で対応しており、通勤通学の足に大きな影響が出ている。

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DBは今回の混乱について「病気による欠勤が通常想定される範囲を超えたことによる非常事態」と説明している。信号扱所でパネルを操作する技能の訓練には数カ月を要するうえ、駅によって個別の操作が必要なため、他の駅のスタッフを派遣して急場をしのぐこともできないという。

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これに対し、鉄道・交通産業労働組合(EVG)は、「利益確保に目を奪われるあまり人材の雇用・教育をおろそかにしてきたことが問題」と強く批判している。

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