自動車大手の独Volkswagen(VW、ヴォルフスブルク)が同グループ初の低価格車の市場投入を検討している。世界最大の自動車メーカーになるという目標を達成するには同分野に参入することが必要不可欠とみられるため。現在プロジェクトチームが可能性を模索しており、年内に結論を出す予定だ。プロジェクトを指揮するハンス・デマント氏がフランクフルト国際モーターショー会場で各種メディアに明らかにした。
\VWの試算によると、世界で昨年販売された1万ユーロ未満の低価格車は計800万台で、市場シェアは11%に上った。2018年には販売台数が940万台に拡大すると予想している。
\低価格車の販売台数が最も多い国は中国で、昨年は350万台に達した。18年には460万台に増える見通し。インドも昨年150万台に上った。
\VWはこれまで、高い品質の維持が難しいとして低価格ブランドの投入を見合わせてきた。このため、低価格ブランドの立ち上げは基本的な品質を維持できる見通しを立てることが前提となる。
\低価格ブランドを新設した場合、同社16年から中国で生産する。生産能力は年30~40万台を見込んでいるもようだ。同国のほか、インド市場への投入も視野に入れている。欧州では販売しない。
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