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2013/9/18

企業情報

Fresenius SE & Co. KGaA(医療サービス)―独大手病院Rhoenを事実上買収へ―

この記事の要約

医療サービス大手の独Fresenius(バート・ホンブルク)は13日、独民間病院2位のRhoen-Klinikumが運営する病院の大半を譲り受けることで合意したと発表した。取引対象となる病院はRhoenの売り上げの3分の […]

医療サービス大手の独Fresenius(バート・ホンブルク)は13日、独民間病院2位のRhoen-Klinikumが運営する病院の大半を譲り受けることで合意したと発表した。取引対象となる病院はRhoenの売り上げの3分の2を占めており、実質的には買収を意味する。Freseniusは傘下に独最大手病院Heliosを抱えており、独禁当局の承認を経て取引が成立すると、欧州最大の民間病院となる。

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Rhoenから総合病院43カ所、外来専門病院15カ所を譲り受ける。取引金額は30億7,000万ユーロで、債務は引き受けない。これら病院の2013年売上高は約20億ユーロ、営業利益(EBITDA)は同2億5,000万ユーロに上る見通し。

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Freseniusは昨年、Rhoenに対して友好的な株式公開買い付け(TOB)を実施したが、巨大病院が成立することを懸念した競合Asklepiosと医療機器メーカーB.BraunがRhoen株を大量に取得して横やりを入れたためとん挫。FreseniusとRhoenの経営陣はこれを受けて、今回の取引をひそかに練り上げてきた。

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同取引はRhoen株主の承認を必要としてないものの、Rhoenは株主の理解を得るために売却益の約3分の2を特別配当に回す意向だ。1株当たり13.80ユーロを支給する。AsklepiosとB.Braunはそれぞれ5%を保有している。

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Heliosは取引が成立すると病院数が117カ所となり、全国にくまなく病院網を展開するドイツ初の医療機関となる。売上高は約55億ユーロに拡大する見通し。Rhoenからの病院取得は調達コストを中心にシナジー効果も見込める。Rhoenとは今後、密接に協力していく意向で、Rhoenの病院を新たに取得する可能性もあるとしている。

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Rhoenは今後、最先端医療と研究機能を併せ持つ病院に経営資源を絞り込む考えで、運営する病院はギーセン大学病院、マールブルク大学病院など10カ所に減少。売上規模はこれまでの30億ユーロから10億ユーロに縮小する。

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