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2013/10/2

企業情報

三菱重工業―Vestasと合弁―

この記事の要約

三菱重工業は9月27日、デンマークの風力発電設備大手Vestasと共同で合弁会社を設立すると発表した。洋上風力発電分野で独Siemensを抜いて世界最大手となることが目標。\ 2014年3月末までに折半出資の合弁会社をデ […]

三菱重工業は9月27日、デンマークの風力発電設備大手Vestasと共同で合弁会社を設立すると発表した。洋上風力発電分野で独Siemensを抜いて世界最大手となることが目標。

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2014年3月末までに折半出資の合弁会社をデンマークのオーフス市に設立する。三菱重工は重電プラントで培った総合的な技術・信用力、Vestasは風力発電分野のノウハウをそれぞれ持ち寄る。設立当初の従業員数は300~400人を見込む。

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三菱重工は新会社に当初1億ユーロを投じ、発足後の実績に応じて2億ユーロを追加投入する。2016年にはコールオプションを行使し、出資比率を51%に引き上げる予定で、市場ではVestasが洋上風力発電設備事業を中期的に三菱重工に譲渡するとの見方が強い。

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新会社はまず、Vsetasのギヤ式風力発電設備「V112(3,000キロワット機)」と開発中の「V164 (8,000キロワット機)」を販売。その後、V164のプラットフォームを生かした三菱重工の油圧ドライブトレイン(DDT)の搭載設備も市場投入する。

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Vestasは陸上風力発電設備の世界最大手メーカー。洋上風力発電設備では2位に付けているものの、トップのSiemensには大きく水をあけられている。

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洋上風力発電パークの敷設コストは数十億ユーロと高く、技術的なリスクも大きい。このためパークの運営事業者は敷設に際してトラブルがあった場合に着実に対応できるSiemensなどの巨大メーカーに発注する傾向が強く、総合的な事業規模が小さいVestasなどは受注を獲得しにくくなっている。財務が悪化していることもVestasの頭痛の種だ。三菱重工と手を組むことでこうした問題を解消できる。

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