世界最大の送電会社である中国国営の国家電網がドイツ市場に参入する計画だ。『南ドイツ新聞』が9月25日付で報じたもので、同社の国際事業部門担当者は「ドイツにはチャンスがあると考えている」と明言した。
\国家電網はベルリンの送電網運営権を取得して独市場に参入する考え。同運営権は現在、スウェーデンのVattenfallが持っているが、2014年で失効するため、州当局は入札を実施して、新たな運営事業者を選定する予定だ。入札にはVattenfallと国家電網のほか、オランダのAllianderも関心を示している。
\ドイツは再生可能エネルギー発電の強化を目指す「エネルギー転換政策」を受けて、送電網を大幅に拡充する必要に迫られている。国家電網はこれを好機と判断して、市場参入に踏み切る。Jun Luan副社長は「(送電網への)関与の方法はいくらでもある」と述べ、独事業に期待を示した。
\送電網を新設・近代化するには巨額の投資が必要で、資金の調達が難しい。国家電網は莫大な資金を持つため、そうしたハードルをクリアする能力を持っている。
\同社は事業の国際化を推し進めている。すでにブラジル、南欧には進出済みで、ポルトガルの電力・ガス輸送会社RENには昨年2月、25%出資した。
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