フォークリフト世界2位の独Kion(ヴィースバーデン)が米国事業を強化する。トヨタL&Fを抜いて世界最大手になるという目標を実現するには低迷する米国事業の拡大が欠かせないためだ。ゴルドン・リスケ社長が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにした。
\Kionは2008年、2015年までに業界最大手になるとの目標を打ち出した。昨年の売上高は47億ユーロで、トヨタL&F(53億ユーロ)を6億ユーロ下回っている。目標を実現するには販売台数を現在の年14万台から20万台に引き上げる必要があるという。業界トップを目指すのは、調達、開発、販売でプラス効果が期待できるため。
\ただ、同社の最重要市場である欧州は低迷が長期化しており、市場規模は07年の34万台から今年は25万~26万台に縮小する見通しだ。リスケ社長は、来年は増加に転じるとみているが、急速な回復は期待できない状況で、他の市場の開拓を強化する必要がある。
\米フォークリフト市場は再産業化の流れを受けて急速に成長しており、今年上半期は20%拡大した。トヨタL&Fはその恩恵を強く受けている。
\一方、Kionは同国市場シェアが2%にとどまる。現地のニーズに見合った製品を取り揃えていないことが響いており、サウスカロライナ州にある工場は生産能力が2万台に上るのに対し、実際の生産台数は2,000台に過ぎない。同社はこの問題を解決するために、米市場に適した製品を開発。今後3年でシェアを5~6%に拡大する計画だ。
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