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2013/10/30

総合 - ドイツ経済ニュース

医療機器規制を強化へ、欧州議会が法案可決

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州議会は22日、医療機器規制を強化する法案を可決した。シリコン豊胸材をめぐるスキャンダルを受け、認証手続きの厳格化や製品トレーサビリティの改善などを通して医療機器の安全性の確保を図るもので、今後、加盟 […]

欧州連合(EU)の欧州議会は22日、医療機器規制を強化する法案を可決した。シリコン豊胸材をめぐるスキャンダルを受け、認証手続きの厳格化や製品トレーサビリティの改善などを通して医療機器の安全性の確保を図るもので、今後、加盟国間で協議される。最終的な合意は2015年以降となる見通しだ。医療機器業界からは新たな医療技術の導入に遅れが出ると懸念する声も出ている。

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EUでは2011年にシリコン豊胸バッグの分野で世界3位の大手だった仏ポリ・アンプラン・プロテーズ(PIP)が製品に未認可の工業用シリコンジェルを使用していたことが発覚。これをきっかけに米国と比べ甘いとされる医療機器規制の見直しを求める声が高まり、欧州委員会は昨年9月に規制を強化する方針を打ち出していた。

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今回可決された法案は、豊胸バッグや人工股関節、心臓弁などのインプラントの提供を受けた患者に「インプラント・カード」を交付し、類似製品に問題が生じた際に警告を発することや、医師や患者が製品に関する十分な臨床データにアクセスできるようにすることを求めている。また、医療機器の認証機関に対しては製品の評価を外部に委託せず、内部に専門家を常駐させることを義務づけるほか、使い捨て機器の再使用に関する基準も盛り込まれている。

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