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2013/11/6

総合 - ドイツ経済ニュース

レジ袋削減の義務化を欧州委が提案、魚や鳥による誤食問題を深刻視

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は4日、スーパーなどで利用されるプラスチック製レジ袋の削減を加盟国に義務づける法改正を提案した。廃棄される大量のレジ袋が環境問題を引き起こしていることを受けたもので、各国はレジ袋の使用禁止を含 […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は4日、スーパーなどで利用されるプラスチック製レジ袋の削減を加盟国に義務づける法改正を提案した。廃棄される大量のレジ袋が環境問題を引き起こしていることを受けたもので、各国はレジ袋の使用禁止を含む何らかの対策を講じることを求められる。

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EUではイタリアがレジ袋の販売を禁止し、デンマークが有料制にするなど一部の国でレジ袋削減の取り組みが進んでいるが、対策が遅れている国も多く、国民1人当たりの年間利用量はデンマーク、フィンランドの4枚に対して、ポーランド、ポルトガルなど8カ国では466枚と大きな開きがある。このため域内全体で年間986億万枚のレジ袋が出回っている(2010年時点)。その大多数が再利用されない薄型のもので、年間80億枚以上が廃棄されていると推定されている。

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欧州委の提案は、再利用が難しく廃棄されることが多い薄さ0.05ミリ未満のレジ袋を対象に、各国に削減策の策定を義務づけるという内容。レジ袋の課金制導入、使用禁止、削減目標の設定など具体的な手法は各国の判断に委ねる。既存の包装品・包装廃棄物指令を改正する形で実施する。同法改正は加盟国と欧州議会の承認が必要となる。

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欧州委は捨てられたレジ袋が海洋、土壌汚染などを引き起こすことを懸念。特に魚など海洋生物や鳥による誤食を大きな問題としている。欧州委によると、北海の全鳥類の94%の胃にレジ袋のプラスチックが含まれているという調査結果が出ている。

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欧州委のポトチュニク委員(環境担当)は、全加盟国がデンマークなどに追随し、厳しい利用規制を導入すれば、域内のレジ袋利用が最大80%削減されると指摘している。

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