機械業界が政府の輸出信用保険業務を代行するヘルメス貿易保険を批判している。ドイツ機械工業連盟(VDMA)のラインホルト・フェストゲ新会長は10月28日の就任式で、「ヘルメスは大規模輸出向け保証に力をいれ、中小企業に対する支援がおろそかになってきている」と指摘。また審査に時間がかかり過ぎているとして、手続きの迅速化を求めた。4日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙などが報じた。
\中小・中堅企業が大半を占める機械業界にとって、ヘルメスによる輸出保証は極めて重要だ。ラオスやガーナ、中国といった新興・途上国に製品を輸出する場合、期日までに代金を回収できないリスクが高く、輸出保証を得られないことはビジネスチャンスを失うことに等しい。
\VDMAによると、ヘルメスによる輸出保険審査期間は6~8週間に上っており、フェストゲ会長は「結果が出る頃には外国の競合に受注を奪われている可能性もある」と苛立ちを表明した。保険引き受けに前向きかどうかも見極めにくく、ヘルメスとの取引をあきらめる業者も少なくないという。
\ヘルメスの関係者はこれに対し、以前に比べ審査時間が長くなっていることは認めたものの、原因は競合の貿易保険会社が一部市場向けの保険業務から撤退したことで申請件数が急増したためと事情を説明。また、中小企業向け支援から背を向けているという批判に対しては「引き受け案件の4分の3は中小企業向け、6割は保証限度額500万ユーロ以下の小口案件」と述べて反論した。
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