高級車大手の独BMW(ミュンヘン)は20日、広東モーターショーで中国市場向けブランド「Zinoro」の電気自動車(EV)を公開する。発表会に招待されているのは中国のジャーナリストだけで、国外のジャーナリストが入場するためには申請を行わなければならない。15日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたもので、同紙はBMWブランドと同一視されることを避けたいようだとの見方を示した。
\Zinoroは華晨中国汽車(Brilliance)と共同で立ち上げたプレミアムブランドで、合弁会社BBAで開発、生産を行う。今回公開するEVは4月に開発計画を打ち出したもので、両社は急ピッチで開発した。背景には政府が外国メーカーに対し中国市場に特化したブランドの導入を強く迫っていることがあるようだ。独Volkswagen(VW)も2011年、現地提携先の第一汽車(FAW)とEVブランド「開利(Kaili)」を設立。上海汽車(SIAC)との間でもEVブランド「天越(Tantus)」を立ち上げた。Daimlerは提携先のBYDと共同でEVブランド「Denza」を新設している。
\ZinoroはBMWのSUV「X1」をベースに開発されたスポーツタイプのオフロード車で、瀋陽で生産される。後続距離は約150キロメートル。BMWは同社が中国市場に来年投入予定のEV「i3」と競合しないとしている。
\BBAはこれまで、BMWブランドの車両のみを生産してきたが、今後はZinoroを皮切りに中国市場に特化した製品も製造する。
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