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2013/11/20

企業情報

Daimler AG―北京汽車との提携強化―

この記事の要約

自動車大手の独Daimler(シュツットガルト)が戦略提携先である北京汽車(BAIC)との協力関係を強化する。現地市場の開拓を強化し、同市場で先行する競合のAudi、BMWを追撃する狙いで、Daimlerは19日、BAI […]

自動車大手の独Daimler(シュツットガルト)が戦略提携先である北京汽車(BAIC)との協力関係を強化する。現地市場の開拓を強化し、同市場で先行する競合のAudi、BMWを追撃する狙いで、Daimlerは19日、BAICの乗用車子会社BAIC Motorに出資する計画を現地当局から承認された。また、18日にはBAICと共同で北京に設立したエンジン合弁工場の開所式を行った。

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BAIC Motorの新株を6億2,500万ユーロで引き受け12%出資する。外資系の自動車メーカーが中国企業に出資するのは初めて。BAIC Motorの取締役会に役員2人を送り込む。BAIC Motorは香港市場での新規株式公開(IPO)を計画しており、Daimlerの出資はIPOで有利に働く。

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DaimlerとBAICはこのほか、◇折半出資の合弁販社Beijing Mercedes-Benz Sales Service Corporation(BMBS)への出資比率をDaimlerが51%に拡大◇折半出資の合弁生産会社Beijing Benz Automotive Corporation(BBAC)への出資比率をBAICが51%に引き上げる――ことも取り決めた。

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北京のエンジン工場はDaimlerとBIACが折半出資で建設したもので、投資総額は4億ユーロに上る。Daimlerがドイツ以外でエンジンを生産するのは今回が初めて。背景には現地生産により製造コストを圧縮する狙いのほか、現地生産比率の引き上げを求める中国政府の意向がある。同工場で生産するエンジンの約60%はドイツなど国外から輸入するものの、将来的には中国での調達を増やしていく意向だ。

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自動車の基幹部品であるエンジンを中国企業と共同で生産することに対しては、技術流出につながるとの懸念が指摘されている。これについてDaimlerの関係者は『ハンデルスブラット』紙に、エンジン分野における中国企業との技術格差は依然として大きいうえ、技術革新も常に行われていると指摘。心配はないとの立場を示した。

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