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2013/12/4

企業情報

Thyssenkrupp AG―米工場売却と増資で債務圧縮へ―

この記事の要約

鉄鋼大手の独Thyssenkrupp(エッセン)は11月29日、米国の製鉄子会社Thyssenkrupp Steel USAをArcelorMittalと新日鉄住金に15億5,000万ドルで売却することで合意したと発表し […]

鉄鋼大手の独Thyssenkrupp(エッセン)は11月29日、米国の製鉄子会社Thyssenkrupp Steel USAをArcelorMittalと新日鉄住金に15億5,000万ドルで売却することで合意したと発表した。今月3日には新株を発行したことも明らかにしたおり、同社は売却益と増資で得た資金を債務の圧縮に充てる意向だ。

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ArcelorMittalと新日鉄住金は今回の買収でアラバマ州カルバートにあるThyssenkruppの自動車用鋼板工場を取得。同工場を折半出資の合弁会社とする。同取引に伴い両社はThyssenkruppのブラジルの製鉄所から鋼板加工用素材のスラブを6年間にわたって年200万トン購入する契約も結んだ。

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Thyssenkrupp Steel USAは経営不振で損失が膨らんでいることから、Thyssenkruppは売却先を模索していた。

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3日の新株発行では市場資金8億8,230万ユーロを調達した。同社は2013年9月通期決算で15億ユーロの赤字を計上。累積債務は50億ユーロに上っており、債務の削減が緊急課題となっている。

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今回の増資により、筆頭株主クルップ財団は出資比率が従来の25.3%から約23%に低下。重要議決の拒否権を喪失するほか、派遣する監査役のポスト数も3から2に減少する。

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