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2013/12/4

経済産業情報

射出成型部品を3Dプリントで、独社が新技術開発

この記事の要約

3D-CADデータをもとに機能部品を直接造形できる新たな3Dプリンターを射出成型機械メーカーArburg(バーデン・ビュルテンベルク州ロスブルク)が開発した。「FreeFormer」と名付けられた同システムでは溶融した樹 […]

3D-CADデータをもとに機能部品を直接造形できる新たな3Dプリンターを射出成型機械メーカーArburg(バーデン・ビュルテンベルク州ロスブルク)が開発した。「FreeFormer」と名付けられた同システムでは溶融した樹脂から霧状の滴を作りだし積層造形する。吹き付けるノズルを固定するかわりに、基板(キャリアー)を移動させて積層するのがポイントで、自由度の高い複雑な形状の部品を金型なしで作れるようになる。

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ペレットと呼ばれる粒状の樹脂原料を供給し、加熱したシリンダー内で溶融させてシリンダー前部のノズルまで送りだすところまでは射出成形と基本的に変わらない。画期的なのは霧状の滴を作りだすノズルの技術で、高速応答可能なピエゾ式インジェクターを用いてノズルを高速で開閉させ、溶融させた樹脂を噴霧する(特許取得済み)。また、積層する基板を取り付けたアームは3軸(オプションで5軸)で前後上下に移動できるため、従来ならひっくり返して積層する必要があった複雑な形状でもそのまま作り出すことができ、後処理なしで完成部品を製造できる。

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Arburgは同製品を10月の国際プラスチック+ゴム専門見本市「K2013」で初公開した。金型成形技術関連国際見本市「ユーロモールド」(12月3~6日、フランクフルト)にも出展する。

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