Deutsche Telekomの米移動通信子会社T-Mobile US(旧T-Mobile USA)の買収を米移動通信3位のSprintが検討しているもようだ。Deutsche Telekomは同子会社からの撤退を目指しており、売却が実現すれば目標を達成することになる。『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙が13日、報じた。関係各社はコメントを控えている。
\Deutsche Telekomの米移動通信事業は経営不振が続いており、同社は以前から撤退を狙っている。だが、米市場トップのAT&Tに売却する計画は独禁当局が強い難色を示したため、2011年にとん挫。Deutsche Telekomはこれを受け、T-Mobile USAを米同業Metro PCSと合併させ、新会社T-Mobile USを今年5月に発足させた。新会社への出資比率は当初74%に上ったものの、現在はすでに67%まで引き下げている。同子会社をSprintに売却した場合、取引金額は約200億ドルに上る見通し。
\T-Mobile USは顧客数が4,300万人で、米市場4位。Sprintは同5,400万人のため、T-Mobile USを買収すると1億人弱に拡大する。1位のAt&T(同1億900万人)、2位のVerizon Wireless(1億100万人)に比べ顧客数は少ないものの、米独禁当局は大手企業の数が4社から3社に減ることに難色を示す可能性がある。このためSprintは現在、カルテル法上の問題を検討しており、T-Mobile USの買収に踏み切るかはまだ決定していないという。
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