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2014/1/8

経済産業情報

CO2利用のカーエアコン開発が順調、ダイムラーが搭載試験

この記事の要約

二酸化炭素(CO2)を冷媒とするカーエアコンを自動車大手の独ダイムラーが開発している。現在、同カーアエアコンを複数のモデルに搭載して試験を実施中で、開発担当者は『フランクフルター・ルントシャオ(FR)』紙に試験の経過が順 […]

二酸化炭素(CO2)を冷媒とするカーエアコンを自動車大手の独ダイムラーが開発している。現在、同カーアエアコンを複数のモデルに搭載して試験を実施中で、開発担当者は『フランクフルター・ルントシャオ(FR)』紙に試験の経過が順調であることを明らかにした。ダイムラーは今後さらに開発を進め、2017年までに同社モデルのエアコンをCO2冷媒搭載に切り替える目標だ。

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欧州連合(EU)では温暖化防止策の一環として、これまでカーエアコン用冷媒として使われてきた代替フロン(R134aなど)に代わり、地球温暖化係数(GWP)150以下の冷媒を使用することが昨年から義務づけられている。この基準を満たすのは現在、米ハネウェルとデュポンが開発した「R1234yf」に限られる。CO2冷媒のカーエアコンは実用化されていない。

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R1234yfを採用しなければならない車両は2011年以降に型式認定を受けたモデルで、ダイムラーでは「Aクラス」「Bクラス」「SLクラス」が該当する。同社は独自の品質試験方法に基づいてR1234yfのテストを行ったところ高温のエンジンルーム内で引火性を持つことが確認されたため、同冷媒の採用を見合わせ、引き続きR134aを搭載している。

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ダイムラーがCO2搭載カーエアコンへの切り替えを17年までに実現する方針を打ち出すのは、同年以降にEUで販売される新車は例外なくGWP150以下の冷媒採用を義務づけられるため。同社の開発担当者によると、CO2カーエアコンにはR1234yfよりも◇中欧の気候に適している◇車内を冷却する能力に優れている◇燃料消費量がやや少ない――というメリットがあるという。

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ドイツの自動車メーカーでは最大手のフォルクスワーゲン(VW)グループもCO2エアコンの採用方針を打ち出している。

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