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2014/1/15

経済産業情報

「米国産バイオエタノールが不当輸入」、業界が欧州委に調査要請へ

この記事の要約

欧州連合(EU)内のバイオエタノール生産者が加盟する業界団体「欧州再生可能エタノール協会(ePURE)」は、米国産バイオエタノールが反ダンピング関税を回避してEUに不当輸入されているとして、近く欧州委員会に調査を要請する […]

欧州連合(EU)内のバイオエタノール生産者が加盟する業界団体「欧州再生可能エタノール協会(ePURE)」は、米国産バイオエタノールが反ダンピング関税を回避してEUに不当輸入されているとして、近く欧州委員会に調査を要請する意向だ。独最大手メーカーCropEnergiesのマルテン・カイル社長が9日明らかにした。すでに欧州委と連絡を取っているという。

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EUは昨年2月から、米国産バイオエタノールに9.5%の反ダンピング関税を課している。米国のエタノール生産者が政府から不当な補助金を受けて安値で製品を輸出し、域内メーカーに深刻な打撃を与えていると認定したためだ。課税期間は5年。

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カイル社長によると、米国メーカーはこれを受けて、ノルウェー経由でEUに輸出し反ダンピング関税を回避するようになった。具体的には純度100%のバイオエタノールをまずノルウェーに輸出。その後、同国でガソリンを混合し化学品としてEUに輸出しているという。その影響で域内のバイオエタノール価格は昨年9月の1立方メートル当たり500ユーロから470ユーロへと低下した。

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