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2014/2/5

経済産業情報

陸上風力発電の新設容量、昨年は02年以来の高水準に

この記事の要約

独風力エネルギー全国連盟(BWE)が1月31日発表した陸上風力発電の国内新設容量は前年比29%増の2,998メガワット(MW)となり、2002年以来の高水準を記録した。全体の60%弱を風力発電が比較的少ない中部・南部ドイ […]

独風力エネルギー全国連盟(BWE)が1月31日発表した陸上風力発電の国内新設容量は前年比29%増の2,998メガワット(MW)となり、2002年以来の高水準を記録した。全体の60%弱を風力発電が比較的少ない中部・南部ドイツが占めており、北部は40%強にとどまった。今年の新設容量については再生可能エネルギー法(EEG)の改正内容に応じて少なければ2,500MW、多ければ3,000MWになると予想している。

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ドイツの風力発電設備は海風の恩恵にあずかる北部に多く、累積発電容量では北海に面したニーダーザクセン州が7,646MWで、全体(3万3,731MW)の約23%を占めた。中部や南部は少なく、バーデン・ヴュルテンベルク州は面積が大きいにもかかわらず533MW(全体の1.6%)にとどまる。北部に比べ風力が弱いことが影響している。

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ただ、新設能力では昨年、南部のラインラント・ファルツ州が413MWに達し、北部のシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州(428MW)に次ぐ2位に付けた。ドイツ全体に占める割合は13.8%に上る。同じ南部のバイエルン州も新設容量が24.4%増の252MWに急拡大し、シェアは8.4%に達した。南部地域はこれまで原子力発電への依存度が高かったが、政府が原発廃止の前倒しを決めたことを受けて、風力発電を設置する動きが高まっている。

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ドイツ政府は先ごろ、EEGの改正方針案を打ち出し、陸上風力発電の国内新設容量を年2,500MWに制限する意向を明らかにした。州政府の多くがこれを批判しており、最終的に同数値が引き上げられる可能性もあるため、BWEは今年の新設能力予測を2,500~3,000MWとし幅を持たせた。

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