コンサルティング大手アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)が1月31日発表したレポートによると、中国企業が昨年欧州で実施した企業買収・出資は計120件に上り、前年の119件からやや増加した。2004年(34件)に比べると3.5倍に拡大しており、中国企業のM&A活動が大幅に増えていることが分かる。
\買収が最も多かったのは機械などのインダストリー分野で、24件(前年17件)に達した。これに消費財が21件(同11件)で続き、3位は13件で自動車(10件)が付けた。4位以下は不動産(13年10件)、エネルギー供給(同8件)、流通(7件)、テクノロジー(7件)、金融(6件)、金属加工(5件)、輸送・物流(5件)の順となっている。
\国別でみると、ドイツと英国がそれぞれ25件で最も多く、3位にはフランス(15件)、4位にはイタリアとスウェーデン(各7件)が続いた。
\ドイツは世界市場で有力な中堅企業が対象となるケースが多く、特に自動車、機械分野が目立つ。英国は不動産と鉱山、フランスはワイナリー、チーズ製造、石鹸製造など消費財分野が多い。
\対独M&Aの件数を投資元国別でみると、中国は米国(92件)、英国(44件)、スイス(36件)、フランス(30件)、オーストリア(27件)に次いで6番目に高い。日本は前年の21件から16件に減少し、9位にとどまった。
\E&Yによると、中国企業は欧州企業の技術的なノウハウや人材、ネットワークを獲得したい考えで、欧州でのM&A活動は今後さらに強まる見通し。中国政府が外国投資の認可基準を引き下げたことは追い風になるという。
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