欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2014/2/26

企業情報

Fresenius SE & Co. KGaA―人工透析事業の不振響く、営業減益に―

この記事の要約

医薬品製造や医療サービスを手がける独Freseniusが25日発表した2013年12月期決算の営業利益(EBIT、特別費を除く)は前期比1%減の30億4,500万ユーロに後退した。為替差損のほか、主力の人工透析子会社Fr […]

医薬品製造や医療サービスを手がける独Freseniusが25日発表した2013年12月期決算の営業利益(EBIT、特別費を除く)は前期比1%減の30億4,500万ユーロに後退した。為替差損のほか、主力の人工透析子会社Fresenius Medical Care(FMC)の業績不振が響いた。売上高は5%増の203億3,100万ユーロで過去最高を更新。最終利益(特別費を除く)も利払い・税負担の減少で12%増の10億5,100万ユーロに拡大した。同社は21期連続で増配を行う意向だ。

FMCは主力市場の米国で人工透析の診療報酬が4月に2%引き下げられた影響で、EBITが3%減の22億5,600万ユーロに縮小した。診療報酬は今後も低下することから、FMCは今年、事業コストを6,000万ユーロ圧縮する意向だ。

Freseniusの増収に大きく貢献したのは医療機関向けサービス子会社Vamedで、21%増の10億2,000万ユーロに拡大した。点滴子会社Kabiも10%増の49億9,600万ユーロと好調だった。病院子会社Heliosは6%増の33億9,300万ユーロ、FMCは2%増の107億4,100万ユーロ。

Freseniusは今年、独医療機関2位のRhoenが運営する病院の大半を譲り受けることから、売上成長率(為替の影響を除く)が12~15%に達すると予想。EBIT(同)も2~5%の伸びを見込む。17年には売上高を約300億ユーロ、最終利益を14億~15億ユーロに拡大する計画だ。