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2014/2/26

経済産業情報

通信キャリア変更手続き遅延で3社に制裁金

この記事の要約

ドイツ連邦ネットワーク庁は19日、電気通信会社(キャリア)の変更を顧客が要求したにもかかわらず変更手続きを速やかに行わなかったとして3社に総額22万5,000ユーロの制裁金を科すと発表した。このほかの1社に対しても制裁に […]

ドイツ連邦ネットワーク庁は19日、電気通信会社(キャリア)の変更を顧客が要求したにもかかわらず変更手続きを速やかに行わなかったとして3社に総額22万5,000ユーロの制裁金を科すと発表した。このほかの1社に対しても制裁に向けた手続きを開始したとしている。

同庁は制裁金支払いを命じた3社の社名を明らかにしていなが、ロイター通信は各社への取材をもとに1&1、ボーダフォン、O2だと報じた。新たに制裁手続きの対象とした企業はドイツテレコム。

ドイツでは顧客からキャリア変更の要求を受けた通信会社は速やかに手続きを済ませることを義務づけられており、当該顧客が電話やインターネットを利用できない時間が1日を超えることは禁止されている。ネットワーク庁は3社がキャリア変更に関するこのルールにたびたび抵触したとして制裁金支払い命令に踏み切った。キャリア変更に関するユーザーの苦情に占める4社(1&1、ボーダフォン、O2、ドイツテレコム)の割合は70%に上るという。

同ルールに違反した企業には最大10万ユーロの制裁金が科されるが、ネットワーク庁は3社がスムーズなキャリア変更の実現に向けた業界の取り組みに積極的に関与していること考慮し、各社の制裁金額を7万5,000ユーロに抑制した。

今回の決定をO2の親会社テレフォニカとボーダフォンは批判。ボーダフォンは裁判所への異議申し立てを検討するとしている。ドイツテレコムも「携帯電話と固定網通信のキャリア変更はドイツで年300万件を超え、その大部分は問題なく処理されている」と指摘。ネットワーク庁はトラブル件数が少ないにもかかわらず、問題を誇張しているとの見方を示した。