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2014/3/5

企業情報

Bayer AG―避妊薬副作用の和解金17億ユーロに―

この記事の要約

製薬・化学大手の独Bayer(レバークーゼン)は2月28日の決算発表で、同社製避妊薬「Yasmin」「Yaz」の副作用をめぐる米国の訴訟で、2月10日までに原告8,250人と和解したことを明らかにした。和解金の総額は16 […]

製薬・化学大手の独Bayer(レバークーゼン)は2月28日の決算発表で、同社製避妊薬「Yasmin」「Yaz」の副作用をめぐる米国の訴訟で、2月10日までに原告8,250人と和解したことを明らかにした。和解金の総額は16億9,000万ユーロに上る。YasminとYazは同社の重要製品で、昨年の売上高は計8億5,300万ユーロだった。

2013年12月通期決算の最終利益は31億8,900万ユーロで、前期から32.7%増加した。製薬部門が好調で全体をけん引。樹脂部門の不振が十二分に相殺された。営業利益(EBIT)は25.6%増の49億3,400万ユーロ、売上高は1.0%増の401億5,700万ユーロだった。

各部門のEBITは製薬が47.8%増の32億6,000万ユーロ、農業科学が11.1%増の17億2,900万ユーロ、樹脂が25.1%減の4億3,500万ユーロ。樹脂は需要低迷を受けて値上げできなかったことが響いた。特にアジア市場の供給過剰に苦しんでいる。

決算発表では発売から間もない特許薬5種類(心臓・循環器系治療薬「Kogenate」「Adempas」、がん治療薬「Stivarga」「Xofigo」、眼科薬「Elyea」)のピーク時の売上目標を従来の年55億ユーロ以上から75億ユーロ以上に引き上げた。Kogenateの13年売上高は前年の3倍の9億4,900万ユーロに拡大しており、今年は10億ユーロの大台に乗る見通しだ。

14年12月期は為替要因と買収・売却を除いたベースの売り上げで約5%の成長を見込む。