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2014/3/5

企業情報

Roche―がん治療薬「Onartuzumab」の開発中止も―

この記事の要約

スイスの製薬大手Roche(バーゼル)は3日、がん治療薬「Onartuzumab」の臨床プログラムを全面的に再検討することを明らかにした。肺がんを対象に進めてきた第3相臨床試験(フェーズ3)の中止を独立データモニタリング […]

スイスの製薬大手Roche(バーゼル)は3日、がん治療薬「Onartuzumab」の臨床プログラムを全面的に再検討することを明らかにした。肺がんを対象に進めてきた第3相臨床試験(フェーズ3)の中止を独立データモニタリング委員会が勧告したため。同薬は年商10億スイスフラン以上のヒット製品(いわゆるブロックバスター)候補と目されてきただけに、同社にとっては大きな痛手となりそうだ。

Onartuzumabのフェーズ3は非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に行われてきた。臨床試験ではRocheの既存のがん治療薬「Tarceva」と併用投与。第2相臨床試験(フェーズ2)までは良好な結果が出ていたが、フェーズ3ではTarcevaを単独投与した場合との有意義な違いが確認されなかった。

RocheはOnartuzumabを胃がん・腸がん治療薬などとしても投入することを目指してきたが、臨床プログラムを再検討する結果、断念する可能性がある。

同社は統合失調症治療薬「bitopertin」の第3相試験で有意義な薬効が確認されなかったことを1月に明らかにしたばかり。