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2014/3/5

経済産業情報

テレフォニカのEプルス買収計画に欧州委が疑義

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は2月27日、スペイン通信最大手テレフォニカが独携帯電話サービス大手のEプルスを買収する計画について、競争上の問題があるとして異議告知書を送付したことを明らかにした。 テレフォニカは昨年7月、 […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は2月27日、スペイン通信最大手テレフォニカが独携帯電話サービス大手のEプルスを買収する計画について、競争上の問題があるとして異議告知書を送付したことを明らかにした。

テレフォニカは昨年7月、オランダ通信最大手KPN傘下のEプルスを総額85億5,000万ユーロで買収することで合意した。Eプルスは加入者数で、ドイツ3位の携帯電話サービス会社。テレフォニカが傘下の同4位O2とEプルスを統合して誕生する新会社は、ドイツテレコム傘下のTモバイル、英ボーダフォンを抜いて1位に浮上する。

買収の可否を審査する欧州委は昨年12月、同計画を認めるとドイツで独自の通信ネットワークを保有する大手携帯電話サービス会社が4社から3社に減り、大手による寡占化が進んで健全な競争が阻害される恐れがあるとして、本格調査を開始していた。

異議告知書の内容は公表していないが、英フィナンシャル・タイムズによると、欧州委は同買収によって競争が弱まることで、独携帯電話サービス市場の料金が平均で13~17%上昇する恐れがあると指摘。具体的には、プリペイド・サービスで26~37%、通常の契約型サービスで9~12%値上がりするとしている。

異議告知書の送付は、テレフォニカが競争上の何らかの是正策を講じない限り、買収を認めないことを意味する。このためテレフォニカは買収実現に向けて、ドイツ市場で保有する資産、事業権の一部売却などを迫られることになる。