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2014/3/12

総合 - ドイツ経済ニュース

原発事故の避難地域を拡大へ、放射線防御委が提言

この記事の要約

重大な原発事故が起きた際の避難地域の拡大を、独連邦環境省(BMU)傘下の放射線防御委員会が提言した。10日付『南ドイツ新聞』が同提言書を独自入手して報じたもので、今後は州内相会議の協議を経て承認される見通しという。 連邦 […]

重大な原発事故が起きた際の避難地域の拡大を、独連邦環境省(BMU)傘下の放射線防御委員会が提言した。10日付『南ドイツ新聞』が同提言書を独自入手して報じたもので、今後は州内相会議の協議を経て承認される見通しという。

連邦政府は福島原発事故が起きた数週間後、原発事故対策の見直しを放射線防御委に指示。同委は今回の提言をまとめ上げた。

それによると、これまで原発から半径2キロ以内の地域としてきた重大事故時の「コアゾーン」を同5キロ地域に拡大。「ミドルゾーン」も10キロ地域から20キロ地域に広げる。また、警報発令から避難完了までの時間をコアゾーンで6時間、ミドルゾーンで24時間とする。さらに、放射性ヨウ素による被ばくを軽減するためにヨード錠剤を住民に配布する地域を従来の半径50キロ圏から同100キロ圏に拡大する。

連邦内務省傘下の防災委員会も先ごろ、これまでの避難区域は範囲が狭く不適切だとして、範囲の拡大を提言した。

一方、バーバラ・ヘンドリックス連邦環境省は地方紙『ライニッシェ・ポスト』に、原発の安全対策を今後も強化していく意向を明らかにした。ドイツの原発は2022年末までに全廃されることが決まっているものの、設備の安全性を高めることで、事故が起こるリスクを引き下げる考えだ。