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2014/3/19

企業情報

Volkswagen AG―販売台数重視から利益率重視へ転換―

この記事の要約

自動車大手の独Volkswagen(VW)グループ(ヴォルフスブルク)は13日の決算発表で、販売台数の拡大を優先するこれまでの経営方針を、利益率の向上を伴った「質的な成長」を重視する方針に転換する意向を打ち出した。201 […]

自動車大手の独Volkswagen(VW)グループ(ヴォルフスブルク)は13日の決算発表で、販売台数の拡大を優先するこれまでの経営方針を、利益率の向上を伴った「質的な成長」を重視する方針に転換する意向を打ち出した。2018年までに販売台数を1,000万台に拡大するとした目標の達成がほぼ確実となっていることを受けた措置。今後は現在導入中の新しいモジュール生産システム(MQB)を通して収益力を高めていく。

13年の販売台数は前年比4.9%増の973万1,000台に拡大した。トヨタ自動車に次ぐ世界2位につけている。今年は1,000万台を超え、目標を4年前倒しで実現する見通しだ。

MQBはプラットフォームを複数のモジュールに分けたうえで、車種ごとに組み合わせを変えて組み立てる生産方式で、1台当たりの生産時間をこれまでより30%短縮できるほか、同生産コストも20%圧縮できる。

すでにVW「Golf」、Audi「A3」、Skoda「Octavia」、Seat「Leon」は同方式で生産しており、今年末に市場投入するVW「Passat」の次世代モデルも同方式に切り替える。同社はMQBの対象となる車両数を今年200万台に倍増し、16年までには400万台へと引き上げる計画だ。

13年12月期の営業利益は116億7,100万ユーロで、前期比1.5%の伸びにとどまった。欧州市場低迷のほか、MQB導入に伴うコストが響いた格好。売上高は2.2%増の1,970億700万ユーロで、売上高営業利益率は前期の6.0%から5.9%に低下した。

最終利益は58.2%減の91億4,500万ユーロと大きく落ち込んだ。比較対象の12年12月期はPorscheの完全子会社化に伴い同利益が大幅に膨らんでおり、その反動が出た格好だ。