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2014/4/9

企業情報

Danon―病人食事業入札、最終選考はFreseniusとNestleか―

この記事の要約

食品大手の仏Danon(パリ)が進めている病人食事業の売却に向けた入札で、スイスの食品大手Nestleと独総合医療大手Freseniusの2社が最終選考に残ったもようだ。消息筋の情報としてロイター通信が4日、報じた。 D […]

食品大手の仏Danon(パリ)が進めている病人食事業の売却に向けた入札で、スイスの食品大手Nestleと独総合医療大手Freseniusの2社が最終選考に残ったもようだ。消息筋の情報としてロイター通信が4日、報じた。

Danonは新興国市場で乳製品・ベビーフード事業を強化する方針を打ち出しており、病人食事業の売却益をこれら事業の強化に充てる意向だ。病人食事業は売上高が13億ユーロ(2012年)で、欧州市場では最大手。

病人食事業の買収には米Baxter、Hospira、Abott、仏Sanofiも関心を示していたが、脱落したもよう。銀行関係者は同事業の売却益が約40億ユーロに達すると予想している。ただ、NestleもFreseniusも独禁法上の理由から、同事業を全面的に買収することはできないとみられる。

FreseniusはDanonの病人食事業を買収することで、グループ企業Kabiを強化するとともに、人工透析子会社FMCへの依存度を引き下げる意向だ。

Freseniusは10億ユーロ以上の買収を過去3年間に3件、実施した。それでも財務はなお安定しており、2月の決算発表では新たな大型買収に意欲を示した。調査会社Warburg Researchのアナリストは、同社の手元資金が潤沢だと指摘したうえで、増資をしなくても資金を低利で調達できるとの見方を示した。