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2014/4/9

企業情報

Deutsche Post AG―営業利益で年8%成長目指す―

この記事の要約

郵便・物流大手Deutsche Post(ボン)は2日、2015~20年の中期経営戦略「Strategie 2020」を発表した。同戦略は「各既存事業の強みをさらに伸ばして収益性を高める(フォーカス)」「組織内のつながり […]

郵便・物流大手Deutsche Post(ボン)は2日、2015~20年の中期経営戦略「Strategie 2020」を発表した。同戦略は「各既存事業の強みをさらに伸ばして収益性を高める(フォーカス)」「組織内のつながりを緊密化し業界トップのクオリティを提供(コネクト)」「新事業を開拓し、持続的成長を確保(グロー)」の3つを骨子としており、同社はこれらの措置を通して営業利益で年率8%の成長を目指す。増益体制を構築して配当を増やし、投資家にとって魅力的な企業にしたい考えだ。

フォーカス戦略では、「郵便・小包」「エクスプレス」「国際貨物輸送」「サプライチェーン」を収益の4本柱として位置づけ、高い成長が期待できる物流分野を引き続き事業の主力に据える。一方、電子メールの普及で市場の縮小が続く郵便部門は「郵便・eコマース・小包」に名称を改め、伝統的な信書サービスからeコマース関連の業務・サービスに軸足を移す。

コネクト戦略では、従業員教育を強化して顧客のニーズに的確に対応できるスタッフを世界レベルで養成し、サービスの質を向上させる。また、業務能力・チームワーク力に主眼を置いたグローバルな経営文化を促進し、各事業分野の枠を超えた協力体制を構築。経営効率を引き上げる。

グロー戦略では、成長が見込める新興市場への進出を積極的に進め、売上高に占める同市場のシェアを現在の22%から20年には30%へと引き上げる。また、ネット通販を追い風に宅配便需要が増加しているにことに対応。サービスの幅を拡大することで顧客を獲得し、同分野で世界1位を目指す。