欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2014/4/16

総合 - ドイツ経済ニュース

自動車走行料金の課金対象拡大、国外の乗用車からも徴収=交通相

この記事の要約

自動車走行料金の課金対象となる道路と車両種類の拡大をドイツ政府が計画している。道路の整備財源が不足しているためで、国外で登録されている乗用車からも料金を徴収する意向だ。アレクサンダー・ドブリント交通相が『フランクフルター […]

自動車走行料金の課金対象となる道路と車両種類の拡大をドイツ政府が計画している。道路の整備財源が不足しているためで、国外で登録されている乗用車からも料金を徴収する意向だ。アレクサンダー・ドブリント交通相が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙のインタビューで明らかにしたもので、交通投資予算を現在よりも約20億ユーロ多い年120億ユーロに引き上げるとしている。

ドイツの道路インフラは老朽化が進んでいる。財政再建のしわ寄せで修復費用を十分にねん出できないことが背景にある。このため国内16州の交通相は昨年10月、財源確保に向けてトラック走行料金(マウト)の適用対象を大幅に拡大することを決議。与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と社会民主党(SPD)も12月の政権協定に◇現在は高速道路と一部の一般国道に限られているトラック走行料金の課金区間をすべての国道に拡大する◇国外で登録した乗用車から高速道路料金を徴収するルールを導入する――を盛り込んだ。

ドブリント交通相はこれらの措置を段階的に実施する考えで、まずは2015年7月1日からトラック走行料金の対象を4車線以上の全国道に拡大。18年7月1日からはすべての国道をトラック走行料金の対象とする。また、15年10月1日からはマウトの適用対象とするトラックを現在の12トン車以上から7.5トン車以上に引き下げる。国外乗用車への課金は16年1月1日から行う。

トラック高速料金を全国道に拡大すると、年20億ユーロ程度の収入増となる見通し。国外乗用車からの徴収ではおよそ年2億ユーロを見込む。

国内で登録された乗用車には車両税が課されているため、課金対象としない。これについては周辺諸国から批判が出ているほか、欧州連合(EU)法違反の懸念もあるため、交通相は現在、隣国オランダ、オーストリアおよび欧州委員会と協議している。