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2014/4/16

経済産業情報

ECカード決済手数料、一律料金を廃止へ

この記事の要約

国内金融業界の頂点諸団体は8日、ECカード(デビットカード)決済手数料で銀行が歩調を合わせてきたこれまでの方式の廃止を取り決めたと発表した。同方式は市場競争を不当に制限するものだとして連邦カルテル庁が改善を要求したことを […]

国内金融業界の頂点諸団体は8日、ECカード(デビットカード)決済手数料で銀行が歩調を合わせてきたこれまでの方式の廃止を取り決めたと発表した。同方式は市場競争を不当に制限するものだとして連邦カルテル庁が改善を要求したことを受けた措置。流通事業者は今後、手数料を銀行と交渉できるようになる。

ECカードの決済手数料はこれまで、◇決済額の0.3%◇最低0.08ユーロ――とされていた。金融業界はこれを10月末までに廃止する。カルテル庁のアンドレアス・ムント長官は「システムの変換により価格競争の前提が創出される」と述べ、業界合意を高く評価した。独小売業中央連盟(HDE)も、銀行間の競争が高まり料金が低下することにと期待を示している。

大口の利用者である大手流通事業者や石油大手は手数料を以前から、独自交渉で取り決めてきた。今後は中小の流通事業者も独自に交渉できるようになる。

カルテル庁によると、ECカードを利用したドイツ国内の決済総額は年1,280億ユーロに上り、カード決済ではダントツで規模が大きい。HDEの推定では、小売事業者が支払うECカード決済手数料は年およそ5億ユーロに上る。