総合医療大手の独Fresenius(バート・ホンブルク)は25日、点滴治療薬・医療用栄養剤子会社のFresenius Kabiがロシアの製薬会社CJSC Binnopharmと共同で現地に合弁会社を設立すると発表した。ロシア事業を強化する狙いで、独立国家共同体(CIS)事業を同合弁に統合。Kabiは51%を出資し、経営権を掌握する。取引の成立には独禁当局とロシア政府外国投資監視委員会の承認が必要で、手続きは年内に終了する見通しという。
CJSC Binnopharmはモスクワ近郊に本社を置く企業で、点滴薬などを生産している。従業員数は350人強、2013年の売上高は1億400万ドル。工場を計2カ所、運営する。ロシアの投資大手Sistemaの傘下にあり、投資会社Zenitcoも出資している。SistemaとZenitcoは合弁設立の5年後に資本を引き上げるオプション権を持っており、Kabiは同合弁を完全子会社化する可能性が高い。
Kabiは1994年、ロシア市場に進出した。13年の現地売上高は7,300万ドル。今回の合弁により同国に生産拠点を確保し、事業を加速させる。
市場調査会社IMSによると、ロシアの医薬品市場は成長が続いており、昨年は規模が140億ユーロに上った。17年までに約210億ユーロに拡大する見通しだ。