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2014/5/14

総合 - ドイツ経済ニュース

独人件費、昨年は2.1%上昇 1/2

この記事の要約

欧州統計局ユーロスタットのデータをもとにドイツ連邦統計局が12日発表した独民間部門の人件費は昨年、1時間当たり平均31.70ユーロで、前年から2.1%上昇した。欧州連合(EU)加盟27カ国中で上から7番目と上位につけてい […]

欧州統計局ユーロスタットのデータをもとにドイツ連邦統計局が12日発表した独民間部門の人件費は昨年、1時間当たり平均31.70ユーロで、前年から2.1%上昇した。欧州連合(EU)加盟27カ国中で上から7番目と上位につけているものの、東方拡大以前からEUに加盟する西側15カ国のなかでは中位(7位)にとどまる。

人件費が最も高い加盟国はスウェーデンで43.00ユーロに上った。これにベルギー(41.20ユーロ)、デンマーク(39.80ユーロ)、ルクセンブルク(35.60ユーロ)が続く。最低はブルガリアの3.70ユーロ。ルーマニアも4.70ユーロで下から2番目となった。

国際競争に強くさらされる製造業分野に限ると、ドイツの人件費は36.20ユーロに上り、EUで上から5番目につけた。ドイツよりも高いのはスウェーデン(44.80ユーロ)、ベルギー(42.60ユーロ)、デンマーク(38.60ユーロ)、フランス(36.70ユーロ)。ブルガリアとルーマニアはそれぞれ3.00ユーロ、4.00ユーロにとどまった。

過去10年間の人件費上昇率をみると、ドイツは2004年から10年までEU平均を毎年下回ったが、11年からは上回っている。債務危機などで欧州景気が低迷するなかでドイツ経済が堅調を保っていることが背景にある。隣国フランスと比較すると、04~10年の平均は仏が3.4%、独が1.4%だったのに対し、11~13年は仏が1.9%、独が2.7%と逆転した。

一方、給与支給額に対する間接労務費(社会保険料の雇用者負担分や病休の被用者に対する給与支払い)の比率をみると、ドイツは昨年27%で前年水準を維持。EU平均の31%、ユーロ圏平均の35%を大きく下回った。EU27カ国中16位となっている。独政府は2000年代の構造改革(アジェンダ2010)で失業保険をはじめとする社会保険料の削減・抑制に取り組んでおり、それが奏功した格好だ。