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2014/5/21

経済産業情報

ファーストフード大手で衛生問題、外部監査導入へ

この記事の要約

厨房のずさんな衛生管理や劣悪な労働環境がテレビ取材で発覚したファーストフード大手バーガーキングの独法人が、状況改善に向けた取り組みを急ピッチで進めている。同社のアンドレアス・ボルク社長は『南ドイツ新聞』に対し、当該フラン […]

厨房のずさんな衛生管理や劣悪な労働環境がテレビ取材で発覚したファーストフード大手バーガーキングの独法人が、状況改善に向けた取り組みを急ピッチで進めている。同社のアンドレアス・ボルク社長は『南ドイツ新聞』に対し、当該フランチャイズ店の従業員にも協定賃金を導入するほか、第三者機関による検査を実施して衛生管理を徹底する方針を明らかにした。

取材の対象となったのは、独バーガーキングがフランチャイザーのYi-Ko Holdingに1年前に売却した最後の直営店91店舗だ。Yi-Koは店舗の取得後、引き継いだ従業員を大量解雇したうえ、直営店の従業員に適用されていた賃金協定を破棄。労働条件を大幅に引き下げた。

こうしたなか、日本でも有名なジャーナリストのギュンター・ヴァルラフ氏がベルリンなどのYi-Koフランチャイズ店舗を極秘取材。不衛生な台所、新鮮と謳っていながら実際には何時間も前に作り置きした食材、スタッフが他のスタッフに嫌がらせをしている様子などを撮影した。取材内容は民放RTLの番組で今月初めに放映された。

テレビ報道後、厳密な衛生管理をしてきたYi-Ko系以外のフランチャイズ店でも売り上げが大きく落ち込み、バーガーキングは大きな痛手を受けている。

バーガーキングは今後、監査・認証機関であるテュフズードに全国の店舗の衛生管理状況の巡回点検を委託するとともに、Yi-Koフランチャイズ店にも他店同様の賃金協定を導入する。また、厨房の様子を外部から見えるように改装して透明性を高め、失われた信頼を早急に取り戻す考えだ。