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2014/5/28

総合 - ドイツ経済ニュース

年金改正法案可決、7月1日施行へ

この記事の要約

独連邦議会(下院)は23日、政府の公的年金改革法案を与党の賛成多数で可決した。同法案は今後、州の代表で構成される連邦参議院(上院)で採決されるものの、上院の承認を必要としないため、7月1日付で施行される見通しだ。 同法案 […]

独連邦議会(下院)は23日、政府の公的年金改革法案を与党の賛成多数で可決した。同法案は今後、州の代表で構成される連邦参議院(上院)で採決されるものの、上院の承認を必要としないため、7月1日付で施行される見通しだ。

同法案は与党の政権協定に基づいて作成したもので、(1)1991年以前に生まれた子供の養育のために仕事ができなかった親(主に女性)の公的年金受給額を上乗せし、92年以後に子供が生まれた親との格差を是正する(2)公的年金の保険料納付期間が計45年以上の被保険者について支給額の減額なしに年金を受給できる年齢を63歳に引き下げる(3)障害年金を月平均40ユーロ増額する――の3本柱からなる。政府はこれらの措置をすべて7月1日付で施行する考えで、(1)については支給額を西部地区で子供1人につき月28.61ユーロ、東部地区で同26.39ユーロ上乗せする。「母親年金(Mutterrente)」と呼ばれる同上乗せ額の受給者は約950万人に上る。

(2)では失業期間も年金保険料の納付期間に算入される。ただ、これを乱用して61歳で失業し、失業手当を2年間受給したうえで年金生活に入る被用者が出てくるとの批判があったため、与党は19日に法案の一部修正で合意。63歳で納付期間が45年に達する被用者であっても、最後の2年間(61~62歳)に失業した場合はこの期間を保険料納付期間に算入しないルールを取り決めた。会社の倒産や廃業で失職した人にはこのルールを適用しない。