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2014/5/28

経済産業情報

薬剤師に低価格の医薬品販売義務=憲法裁

この記事の要約

医師が処方した医薬品よりも低価格の製品がある場合、薬剤師は価格の低い医薬品を販売しなければならないとするルールの是非をめぐる係争で、連邦憲法裁判所(BVerfG)は27日、同ルールを合憲とする判断を示し、違憲だとする薬剤 […]

医師が処方した医薬品よりも低価格の製品がある場合、薬剤師は価格の低い医薬品を販売しなければならないとするルールの是非をめぐる係争で、連邦憲法裁判所(BVerfG)は27日、同ルールを合憲とする判断を示し、違憲だとする薬剤師2人の訴えを却下した。

ドイツでは医師が処方したよりも低価格で同等の効果を持つ医薬品がある場合、薬剤師は原則として低価格の製品を販売しなければならない。これは薬剤費の削減をねらって導入されたルールで、第5社会法典(SGB5)129条に明記されている(医師が特定の医薬品を指定した場合は、割安な製品が他にあっても指定した製品を販売しなければならない)。

原告2人は医師が処方したよりも安い製品があったにもかかわらず、医師が処方した医薬品をそれぞれ販売。患者が加入する公的健保組合に各17.49ユーロ、47.08ユーロの支払いを求めたところ拒否されたため、第5社会法典129条の規定は憲法(基本法)で保障された職業選択の自由に抵触するとして提訴したが、社会保障問題の最高裁である連邦社会裁判所(BSG)は原告の訴えを棄却し、連邦憲法裁は門前払いとした。