欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2014/6/4

企業情報

Volkswagen AG―中国でサプライヤー育成へ―

この記事の要約

自動車大手の独Volkswagen(VW、ヴォルフスブルク)が最重要市場の中国で現地サプライヤーを自ら育成する。製造コストを引き下げるには欧米部品メーカーへの依存度を引き下げ、同国企業からの調達を増やす必要があるものの、 […]

自動車大手の独Volkswagen(VW、ヴォルフスブルク)が最重要市場の中国で現地サプライヤーを自ら育成する。製造コストを引き下げるには欧米部品メーカーへの依存度を引き下げ、同国企業からの調達を増やす必要があるものの、同社の品質基準に達する現地サプライヤーは少ないためだ。特に中国市場に特化した低価格車を今後投入するためには現地調達比率を100%に引き上げなければならないとみている。5月30日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。

VWグループの中国(香港を含む)販売台数は昨年327万台に達した。そのうち304万台を現地で生産したものの、部品のかなりの部分を欧州からの輸入でまかなった。現地サプライヤーの質が全般的に低いためだ。

欧州からの輸入は輸送費がかさむうえ、為替リスクにもさらされる。このためVWは中国現地での調達を強化する考え。

その方法としては部品の現地内製比率を増やすという方法があるものの、投資コストが高いため、現地サプライヤーを技術支援。同社基準に合致した高品質の部品を生産できるようにしたえうで、供給を受ける。

VWの支援で技術力を高めたサプライヤーが同社の競合であるBMWやDaimlerにも部品を供給するようになるリスクはあるものの、他に適切な選択肢がないため支援を行っていく。

VWは7,000ユーロ未満の低価格車を2017年初頭から中国市場に投入する考えで、それまでに十分な規模の現地サプライヤーを育成しなければならない。中国人は自動車の装備やデザインに対する要求水準が高いため、低価格車であってもそれなりの水準に達していなければならず、利益を確保するためには現調比率の大幅引き上げが必要となる。