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2014/6/11

総合 - ドイツ経済ニュース

第1四半期の人件費上昇率1.1%、10年第3四半期以来の低水準に

この記事の要約

ドイツ連邦統計局が6日発表した製造業とサービス業の第1四半期の人件費指数は前年同期比の伸び率が1.1%増にとどまり、前年同期の同4.2%から大幅に鈍化した。増加幅は2010年第3四半期以来の低水準。暖冬で病欠日数が22% […]

ドイツ連邦統計局が6日発表した製造業とサービス業の第1四半期の人件費指数は前年同期比の伸び率が1.1%増にとどまり、前年同期の同4.2%から大幅に鈍化した。増加幅は2010年第3四半期以来の低水準。暖冬で病欠日数が22%減少したことが大きい。

人件費指数は実際に行われた労働1時間当たりのコストを表したもので、賃金指数と間接労務費指数の2項目で構成される。人件費総額に対する実際に行われたのべ労働時間の比率であるため、賃上げなどのコスト押上げ要因があっても病欠の減少でのべ労働時間が増えれば、指数の上げ幅は抑制される。

第1四半期は賃金指数が2.3%増、間接労務費指数が3.0%減だった。間接労務費指数が大きく低下したのは、病欠が減少したことで「病休時の賃金継続支給義務(Lohnfortzahlung im Krankheitsfall)」に伴う雇用者負担が低下したためだ。ドイツには、被用者が病気で休業する場合、雇用者は最大6週間、賃金・給与を払い続けなければならないというルールがある。

連邦雇用庁(BA)傘下の労働市場・職業研究所(IAB)は10日、第1四半期の病欠率が3.67%にとどまり、前年同期の4.77%から大幅に低下したことを明らかにした。

一方、欧州連合(EU)統計局ユーロスタットのデータをもとに連邦統計局が明らかにしたところによると、EU全体の13年の人件費指数(製造業とサービス業)は前年を1.4%上回った。賃金指数と間接労務費指数がそれぞれ1.6%、0.8%上昇した。ユーロ圏は人件費指数が1.4%増、賃金指数が1.7%増、間接労務費指数が0.7%増だった。

人件費の上げ幅が大きい国は東欧に多く、エストニアは7.7%に達し加盟国中で最大となった。これにリトアニア(6.2%)、ルーマニア(5.4%)、ラトビア(5.1%)が続く。ギリシャは8.8%減となり、下げ幅が最大となった。キプロスとスロベニアもそれぞれ5.2%、2.0%低下した。