製薬大手の独Bayer(レバークーゼン)は5月30日、同社製の分子標的型がん治療薬「Nexavar」を進行した段階の甲状腺がんの治療に投与することが欧州連合(EU)の欧州委員会に承認されたと発表した。同薬は昨年の売上高が7億7,100万ユーロに上っており、年商10億ユーロ以上のヒット医薬品である「ブロックバスター」に成長する可能性が出てきた。
Nexavarにはがん細胞の成長とがん細胞に栄養を送る血管の形成を阻害する働きがある。すでに腎臓、肝臓がんへの投与は多くの国で承認されており、米国では昨年末に甲状腺がんへの投与も認められた。
Bayerは甲状腺がん分野における同薬の年商がピーク時に約1億5,000万ユーロに達すると予想している。