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2014/7/30

経済産業情報

アプリ使った配車サービスに違法の疑い 営業差し止め仮処分申請は却下に

この記事の要約

携帯電話のアプリから予約する配車サービスプラットフォーム「Uber(ウーバー)」をめぐる係争で、ハンブルク行政裁判所(地方裁)は25日、営業差し止めの仮処分を求めていたハンブルク交通当局の申請を却下した。Uberは判決が […]

携帯電話のアプリから予約する配車サービスプラットフォーム「Uber(ウーバー)」をめぐる係争で、ハンブルク行政裁判所(地方裁)は25日、営業差し止めの仮処分を求めていたハンブルク交通当局の申請を却下した。Uberは判決が確定するまで営業を継続できる。

Uberは米国発の配車サービスで、世界43カ国で展開されている。使い方は簡単で、ユーザーが行き先や人数、利用するサービスのタイプ(普通車Popと高級リムジンのBlackの2種類)を入力すると、アプリがGPDデータを基に現在地を特定。ユーザーが送迎場所を確定し「ハイヤーを呼ぶ」をクリックすると、クルマが迎えに来る。料金はタクシーよりはるかに安く、たとえば、ハンブルク中央駅からハンブルク=アルトナまでは、Popでおよそ9~12ユーロ、Blackで15~19ユーロ程度。

ハンブルク交通当局が問題視したのはUberの低価格配車サービス(Pop)だ。リムジン配車サービスのBlackと異なり、Popでは個人が自家用車を使って旅客を運ぶため、同当局は「有償で旅客を輸送する以上は商業活動に当たり、ドライバーはタクシー免許を保有してなければならないが、Popに登録するドライバーのほとんどはタクシー免許を保有しておらず、違法だ」として営業差し止めの仮処分を申請していた。

Uberはドイツ国内ではハンブルクのほか、フランクフルト、ミュンヘン、ベルリンでサービスを提供している。今回の判決を受け、フランクフルトとベルリンの市当局は営業禁止の是非を協議する方針だ。ミュンヘンは当面、静観するとしている。