保険大手の独エルゴ(デュッセルドルフ)は14日、ギリシャ同業ATEインシュアランスを現地提携先のピレウス銀行から完全買収すると発表した。エルゴはギリシャ市場の将来性を高く評価しており、買収により同国損保市場の最大手に浮上する。取引金額9,010万ユーロとなる見通し(買収手続き完了時の純資産額により変動する可能性がある)。
ATEは1980年の設立で、昨年の保険料収入は1億7,000万ユーロだった。損保はそのうち1億3,000万ユーロを占め、ギリシャ市場5位に付けている。
エルゴはギリシャで子会社エルゴ・ヘラスを展開し、現地保険料収入は昨年1億3,500万ユーロに上った。同社はギリシャ経済が今後、回復すると判断。また、ギリシャは他の欧州連合(EU)加盟国に比べ保険加入率が低く保険市場拡大の余地が大きいことから、今回の買収に踏み切った。
エルゴ・ヘラスは2005年から、ピレウス銀を通して損保商品を販売しており、保険料収入に占める同販売チャンネルの割合は3分の1を超える。ピレウス銀との販売提携は今後も続ける意向だ。