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2014/9/3

企業情報

ノバルティス―慢性心不全治療薬、年商50億ドル超の見通し―

この記事の要約

スイスの製薬大手ノバルティス(バーゼル)は8月30日、同社の慢性心不全治療薬「LCZ696(開発コード)」が既存薬に比べ死亡率を引き下げることが、臨床試験の最終段階であるフェーズ3で明らかになったと発表した。アナリストは […]

スイスの製薬大手ノバルティス(バーゼル)は8月30日、同社の慢性心不全治療薬「LCZ696(開発コード)」が既存薬に比べ死亡率を引き下げることが、臨床試験の最終段階であるフェーズ3で明らかになったと発表した。アナリストはピーク時の年商が50億ドルを超えるとみており、同社の売り上げを支える製品となりそうだ。ノバルティスは米国販売を年内、欧州連合(EU)販売を来年初頭に申請する。

LCZ696の効果を既存薬「エナラプリル」と比較したところ、心臓血管の問題に伴う死亡率が20%低下。他の問題を含む全体の死亡率も16%下がった。すべての患者グループに効果があるうえ、深刻な副作用もないことから、チューリヒ州立銀行のアナリストはロイター通信に「今後5~6年間は競合製品が存在しない」との予想を示した。

ノバルティスでは主力製品である降圧剤「ディオバン」の売り上げが特許切れに伴い減少しており、LCZ696はこの穴を埋める製品になると期待されている。