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2014/10/1

企業情報

フォルクスワーゲン―本社工場で生産ラインのトラブル続く―

この記事の要約

自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の独ヴォルフスブルク本社工場で生産ラインが停止するトラブルが続いている。同工場はVWグループが競合に差をつける切り札と位置付ける新しいモジュール生産システム(MQB)のマザー工場であり […]

自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の独ヴォルフスブルク本社工場で生産ラインが停止するトラブルが続いている。同工場はVWグループが競合に差をつける切り札と位置付ける新しいモジュール生産システム(MQB)のマザー工場であり、生産ラインの不具合はグループの成長戦略に影を落としそうだ。ロイター通信が9月25日付で報じた。

1つの生産ラインで組み立てるモデルの種類が極度に多様化したことにロボットが対応しきれないことが原因となっているもよう。ラインが頻繁に停止するため、従業員は週末に出社して生産の減少分を一部相殺しているものの、同工場では今年の生産台数目標(85万台)を達成できない見通しだ。

MQBはプラットフォームを複数のモジュールに分けたうえで、車種ごとに組み合わせを変えて組み立てる生産方式で、VWによると、1台当たりの生産時間をこれまでより30%短縮できるほか、同生産コストも20%圧縮できる。だが、生産がたびたび止まっているようでは、こうした効果は期待できない。ベルギッシュ・グラートバッハ経済専門大学(FHDW)付属自動車研究センター(CAM)のシュテファン・ブラッツェル所長は、VWの急成長は多くの問題を覆い隠す効果を果たしてきたと指摘したうえで、「コストの膨張をコントロールできなくなっている。非効率性が強まっている」との見方を示した。