物流大手のドイツポストDHLは9月24日、自動飛行する小型無人ヘリコプターの研究プロジェクトを実施すると発表した。自動無人ヘリの飛行が行われるのは欧州で初めて。昨年12月に実施した無人ヘリの飛行テストを一歩、深化させることになる。
昨年12月の試験は無人ヘリを用いたものの、ドイツでは自動操縦が法的に認められていないため、リモコン操作で飛行させた。今回は連邦交通省と国営航空管制会社DFSの協力を得て、専用の空域を確保した。
プロジェクトでは北海に面するノルデン市から人口1,500人のユイスト島に医薬品などを輸送する。輸送距離は約12キロメートル。高度50メートルで飛行し、風力に応じて1秒間に最大18メートル進むことができる。
飛行状況はノルデンの移動基地局から監視し、緊急時にはリモコン操作に切り替える。同基地局は常に、DFSと連絡を取り合う。
輸送する医薬品などはユイスト島の薬局に住民や観光客が注文した品で、島内の発着地に着陸した後はDHLの職員が注文者のところまで配達する。
プロジェクトにはDHLのほか、アーヘン大学航空システム力学研究所と無人ヘリメーカーのマイクロドローンズが参加している。