配車サービスの米ウーバーは9月29日、ドイツでのサービスをタクシーにも拡大すると発表した。これまでは主に一般ドライバーを運転手とするサービス「ウーバー・ポップ」と、ハイヤー配車サービスの「ウーバー・ブラック」に限定してきたが、タクシー業界の反発が強いことから、タクシー配車の「ウーバー・タクシー」を追加導入。タクシー業界を味方に変える考えだ。
ウーバーはスマートフォンのアプリを利用した配車サービスを展開している。支払い・決済もアプリを通して行い現金を必要としないため、利便性が高い。
同社が提供するサービスのなかで、ウーバー・ポップは料金が最も安い。このため、顧客を奪われるタクシー業界は強く反発。また、個人が輸送サービスを行うことは法規に抵触している疑いがあることから、各地の都市交通当局は同サービスの差し止めを求める訴訟を起こし、裁判所から差し止め命令が出されている。
ウーバーは違憲訴訟も含めて裁判で最後まで争う構えを見せる一方で、タクシー配車サービスを開始する。これにより、タクシーの客待ち時間が減少するメリットが見込めることから、ウーバーは同業界との敵対関係解消につなげたい考えだ。