スウェーデン国営エネルギー大手のバッテンフォールが独東部で計画している褐炭採掘事業の拡大を中止する公算が高まっている。3日に成立したスウェーデンの新政権が環境重視のエネルギー政策方針を打ち出し、中道右派の前政権が進めてきた褐炭事業の拡大路線に終止符を打つためだ。
スウェーデンでは9月の総選挙で中道右派の与党が敗北。社会民主労働党と緑の党が新政権を樹立し、原発全廃などの環境重視路線を打ち出した。
バッテンフォールについては事業の軸足を再生可能エネルギーに転換させる方針で、独東部のラウジッツ地方で計画する褐炭露天掘り事業の拡大は中止させるとしている。具体策は今後、策定する意向。
ラウジッツは独ブランデンブルクとザクセン州、およびポーランドにまたがる地方。ブランデンブルク州のクラウス・ノイス首相はスウェーデン政府に対し、バッテンフォールに関する政策方針を早急に明らかにするよう要請している。