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2014/10/15

企業情報

サイトトゥールズ―創傷治療薬の売却模索か―

この記事の要約

独バイオ企業サイトトゥールズ(Cytotools、ダルムシュタット)が主力医薬品「デルマプロ(Dermapro)」事業の売却先ないし合弁先の模索を米投資銀行モルガンスタンレーに委託したもようだ。金融・製薬業界の情報として […]

独バイオ企業サイトトゥールズ(Cytotools、ダルムシュタット)が主力医薬品「デルマプロ(Dermapro)」事業の売却先ないし合弁先の模索を米投資銀行モルガンスタンレーに委託したもようだ。金融・製薬業界の情報として10日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じたもので、広報担当者は同紙の問い合わせに「(潜在的な交渉先との)交渉に向けてアングロサクソン系の大手投資銀行と契約した」と回答した。

デルマプロはあらゆる創傷に効果のある治療薬。治験の最終段階であるフェーズ3がこのほど終了しており、インドではすでに販売許可申請を行った。これまで治療薬がなかった糖尿病足病変にも効果があるのが最大の強みだ。

糖尿病足病変は糖尿病の合併症の1つで、足の神経が侵されたり、動脈硬化により血液の流れが悪くなることで、小さな傷が治らずに潰瘍化し、最悪の場合、壊疽化して足を切断しなければならなくなる。

サイトトゥールズはデルマプロの予想売上高を明らかにしていないが、マルクアンドレ・フライベルク社長は5年前FAZ紙に、「足潰瘍の慢性患者の5%が同薬で治療を受ければ、売上高は年およそ2億ユーロに達する」と述べており、将来性は高いもようだ。

同社の2013年の業績は売上高が前年比横ばいの5万ユーロで、最終損失は前年の65万5,000ユーロから113万5,000ユーロに膨らんだ。2006年から株式を公開しており、時価総額は1億3,600万ユーロに上る。デルマプロの開発は子会社デルマトゥールズ・バイオテックで進めてきた。