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2014/10/15

企業情報

メルツ―独従業員を1割削減へ―

この記事の要約

新薬メーカーの独メルツ(フランクフルト)は7日の決算発表で、国内の従業員の1割に当たる約100人を今後1年間で削減することを明にした。主力製品の特許切れと新製品の開発に失敗したことを受けて美容事業の重点強化方針を打ち出し […]

新薬メーカーの独メルツ(フランクフルト)は7日の決算発表で、国内の従業員の1割に当たる約100人を今後1年間で削減することを明にした。主力製品の特許切れと新製品の開発に失敗したことを受けて美容事業の重点強化方針を打ち出した結果、人員削減が避けられなくなったとしている。経営上の理由により整理解雇も実施する。

同社は特許薬メーカーとしては規模が小さく、グリューネンタールと並んでドイツの最下位グループ(売上ベース)を形成する。主力製品であるアルツハイマー治療薬「メマンチン」の特許が失効し始めているうえ、期待の耳鳴り治療薬で開発に失敗。経営資源を美容分野に絞り込む方針を打ち出した。

これに伴い神経疾患分野の研究開発停止を決定したため、同分野の研究開発、マーケティング、販売要員を整理する。

2014年6月通期の売上高は9億9,400万ユーロで、前期を1.4%上回った。メマンチンはそのうちの4億600万ユーロを占めたものの、前期水準を11%下回った。営業利益(EBIT)は26.4%減の2億4,720万ユーロで、売上高営業利益率は前期の34.3%から24.9%に低下している。メマンチンの特許収入減少が響いた。