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2014/11/26

総合 - ドイツ経済ニュース

ユーロ・石油安が追い風に、独企業景況感7カ月ぶりに改善

この記事の要約

Ifo経済研究所が24日発表した2014年11月のドイツ企業景況感指数(総合指数、2005年=100)は104.7となり、前月の103.2から1.5ポイント上昇した。同指数の改善は7カ月ぶり。ロイター通信がエコノミストを […]

Ifo経済研究所が24日発表した2014年11月のドイツ企業景況感指数(総合指数、2005年=100)は104.7となり、前月の103.2から1.5ポイント上昇した。同指数の改善は7カ月ぶり。ロイター通信がエコノミストを対象に実施した事前アンケート調査では回答平均が前月比0.2ポイント減の103.0となっており、景況感は予想に反して大幅に好転した。Ifoのハンスヴェルナー・ジン所長は「ドイツ経済の下降は少なくとも中断した」との見方を示した。

事業の現状判断を示す指数が前月の108.4から110.0へと1.6ポイント上昇。今後6カ月の事業見通しを示す期待指数も同98.3から99.7へと1.4ポイント上がった。(下のグラフ参照)

部門別でみると、製造業は現状判断と期待指数がともに上昇し、輸出見通しは前月に引き続き改善した。

卸売業と小売業でも両指数が改善。卸売業は現状、期待指数とも増加幅が大きかった。建設業では現状判断がやや悪化したものの、期待指数は建設需要が高まる春を数カ月後に控え大幅に好転した。

ユーロ安と石油価格の下落がプラス材料となっているもようだ。ユーロの対米ドル相場は年初からこれまでに8%以上下落。これが追い風となり新興諸国向け輸出はこのこところ増加している。欧州中央銀行(ECB)が今後、金融緩和を強化するとみられるため、ユーロ安は一段と進むと専門家はみている。

原油価格は年初からこれまでに30%低下した。金融大手ウニクレジットの試算によると、石油安の効果で独企業、消費者の経済負担は来年350億ユーロ軽減される見通しという。

景気がこのまま上昇基調に乗るかどうかは現時点で定かでないようだ。ジン所長はニュース専門局ntvに、今後2カ月のデータをみるまで判断できないと述べ、慎重な立場を示した。Ifo企業景況感指数が3カ月連続で改善すると、景気が好転する可能性が高いとされるため、1月まで改善が続くかが焦点となる。