欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2014/11/26

経済産業情報

大手企業などにマイナス金利、コメ銀が導入へ

この記事の要約

独2位銀行のコメルツ銀行が顧客預金にマイナス金利を適用する考えだ。同行への問い合わせなどをもとに『ウォール・ストリート・ジャーナル』が19日付の独オンライン版で報じたもので、大口預金を持つ大手企業、機関投資家から手数料の […]

独2位銀行のコメルツ銀行が顧客預金にマイナス金利を適用する考えだ。同行への問い合わせなどをもとに『ウォール・ストリート・ジャーナル』が19日付の独オンライン版で報じたもので、大口預金を持つ大手企業、機関投資家から手数料の名目で料金を徴収する。ドイツの大手銀行で預金にマイナス金利を課すのは同行が初めてで、今後、多くの銀行が追随するとの懸念が出ている。

ユーロ圏の市中銀行では欧州中央銀行(ECB)に預け入れる手元資金にマイナス金利が適用されるようになったことを受けて、預金を自由に引き下ろせるタイプの口座に多額の資金があることが重荷となっている。顧客預金へのマイナス金利適用はこれを受けた措置。

コメルツ銀は大口預金顧客から徴収予定の手数料を個々に協議して決定する考えで、対象となる顧客に一律で同率の金利を適用することはしない。また、中小企業と個人顧客からはそうした料金を一切徴収しないと強調している。

ドイツではテューリンゲン州の信用組合であるドイツ・スカートバンクが11月1日付で大口預金にドイツ初のマイナス金利を適用した。対象は預金を自由に引き下ろせる振替口座(Girokonto)とコール預金口座(Tagesgeldkonto)で、マイナス金利幅を一律0.25%としている。

ドイツでは貯蓄銀行がマイナス金利の導入を批判するのに対し、民間銀行の業界団体である独銀行協会(BdB)は個々の銀行がマイナス金利を適用することを否定していない。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、ドイツ銀行はそうした措置の導入を検討しているという。